超高齢化や核家族化にともない社会情勢がめまぐるしく変化する中で、老後や万一のときのために備えておくことは大事なことだと思います。そこで今回は老後にむけたライフプランについてご説明いたします。

ライフプランというと難しく考えてしまう方もおりますが、人は価値観や生き方、目的がそれぞれ違います。そこで重要なポイントが「お金」「生きがい」「健康」の３つです。この３つが充実した人生を過ごすためにはとても重要です。この３つのうち、どれか１つが欠けてしまうと満足した人生を過ごし難くしてしまいます。またライフプランを考える中で重要なことは、他人任せではなく自己責任に基づいてよく考える必要があります。これから超高齢化や核家族化にともない、しっかりとしたライフプランを考えておくとよいでしょう。

また老後にむけての悩みや不安にはどんなものが多いでしょうか。親の介護や子どもにかかる費用、老後の資金や生活環境、介護の予防や備え、病気などの治療費負担、保障（保険）の見直し、遺産問題など様々な悩みや不安があげられます。このような悩みや不安を解消するためにもライフプランを考えておくと良いと思います。

まず「お金」についてですが、はじめに情報収集をおこないましょう。最初に、収入や支出状況の把握や資産および負債の状況を把握しましょう。また加入している年金や保険の保障内容などを確認することをお薦めいたします。そして現在、働いている方ならば退職金の有無や退職後の収入の予定などを考えておくと良いでしょう。他に子どもにかかる資金（例えば、結婚資金や住宅購入資金など）も具体的に金額を決めておくことをお薦めします。それから住宅のリフォーム費用などを算出しておくと安心することができます。このような情報収集をしたのちに、収入や支出を見積り必要な老後資金を算出します。そして問題点があれば解決策を検討します。

次に「生きがい」についてです。生きがいとは人によってそれぞれいろいろとあります。しかし、主に３つに分類できると考えます。１つは、”働きがい”です。仕事をすることで働く生きがいを持つことです。２つめは、”やりがい”です。趣味や地域活動などのことです。創作や学習をする生きがいやボランティア・地域に対する活動などです。３つめは、”居がい”です。家庭に居るだけで心がなごむ生きがいのことです。夫婦円満、家族円満などがそうです。このような生きがいを持つことはとても重要なことです。

最後に「健康」についてです。健康に対して必要なことは、日頃の運動なども大事なことですが、”かかりつけ医”を持つことが重要だと考えます。”かかりつけ医”がいると、病気やケガの治療だけでなく健康上の相談ができます。また日頃から病歴やアレルギーなどについて把握しているので、適切な治療につながりやすくなります。そして症状に応じて適切な医療機関を紹介してもらえます。また病気の早期発見につながる場合があるとも考えます。だからこそ、”かかりつけ医”を持つことをお薦めいたします。

また“かかりつけ医”は、できたら自宅の近くで大規模病院よりもクリニック（診療所）のほうが望ましいと思います。患者の話をきちんと聞き、治療方針について納得のいく説明をしてくれて、悩みなどを打ち明けやすいか、相性はよいかなども判断材料にすると良いのではないでしょうか。健康管理をするうえで、相談しやすい”かかりつけ医”がいると安心して生活することができます。

「健康」と同じようにプロに相談することはとても大事なことです。わからないことはできるだけ早めにプロに相談することをお薦めします。そうすることで問題点に対して解決策が見えてくるのです。またプロに相談することで様々なサービスを利用することができます。行政サービス（例えば介護保険や高額療養費など）などの多くは申請しなければ利用できません。だからこそ、知識のあるプロに相談することをお薦めします。また認知症やお亡くなりになってからでは手遅れになってしまうことがあります。そのために早めの準備が必要な場合がよくあります。

例えば、遺言書や大切なものリスト、エンディングノートなどです。お子様がいなくて遺言書がないため、ご兄弟が相続人となってしまい大変な思いをされた経験のある配偶者の方もおられます。だからこそ、しっかりとした準備を事前にしておくと良いのです。安心した生活を過ごすためにも相談しやすいプロを見つけておきましょう。それでは『第５回　遠くの親せきよりも近くの他人』では、どんな相談相手がいるとよいのかご説明いたします。

2011.6.24 常陽新聞掲載